橋浦健太先生「処女仲介人〜奪ってほしい女達」を読みました。
「処女を奪ってほしい」という女性のパートナーとしての仕事をする話。
「処女を奪ってほしいという女性」というところだけ見ると「そんな人いるのかな」と一瞬思ってしまうんですが、読み進めていくと「あるのかもなあ」と思えてしまうところが興味深かったです。
橋浦健太「処女仲介人〜奪ってほしい女達」
内容
凄腕の痴漢が任されたのは…処女を奪う仕事!?見ず知らずの男に、処女を奪ってほしい女性達の理由とは…? 表向きはエリート銀行員、裏では愛撫が巧すぎて捕まらない伝説の痴漢・壱村大和。ところがある日、痴漢のターゲットにした少女・蛍に痴漢現場を撮影されてしまう。人生終了か…と思いきや、壱村をラブホテルに連れ込む蛍。「あなたに私が紹介する女性の処女を奪って欲しいの」そう言うと彼女は、壱村を「バージンコーディネーター」に任命する。そんな壱村の前に現れた依頼者は、とても処女とは思えない美少女で―!?
感想「シリアスさと面白さの緩急が魅力」
表の顔は優秀な銀行員、裏の顔は「愛撫が巧すぎて捕まらない」伝説の痴漢という男・大和。
ある日、痴漢のターゲット・蛍に現場を撮影され、蛍の言うことを聞かざるを得ないハメに。
蛍が要求してきたのが金などではなく「処女を奪ってほしい女性の処女を奪う仕事をしてほしい」というもの。
主人公の大和は痴漢という明らかにアングラなことをやっているのに、それ以上にアングラな処女仲介人というお仕事が話の舞台なので、大和の言動や思考が時折まともに見えるシーンが面白いポイントw
その上で話の流れは各々が抱える問題が見え隠れし目を引くものがあり、シリアスさと面白さの緩急があるのでサクサク読むことができます。
※というか、主人公・大和、表の顔も裏の顔も完璧すぎやしませんか・・・(凄腕の痴漢が完璧要素に入るのかはわかりませんがw)
「実際にこういうこともあるのかもしれない」とも思える面白さ
作品のテーマである「処女を奪ってほしい」という文脈、読む前には「そんなことあるのかな?」と思ったんですけども、読み進めていくとそれぞれのヒロインに事情があり、
「確かに実際にこういうこともあるのかもしれない・・・」
と思わせる空気感がありますね。
4話までのヒロインは2人。
- 蛍に紹介された時に「美人局では?」と疑って大和が逃げてしまうような可愛らしいJK・由衣
- 3話から登場する梅沢部長。バリキャリの女性。
それぞれのヒロインが「処女を奪ってほしい」とする背景も現実世界にありそうな話。
ただのファンタジーではなく実際に「処女仲介人がいたら・・・」という想像を膨らませられるのも面白い。
対象は全年齢ですが、話の主要なテーマが「処女を奪うこと」なのでエッチシーンはあり。
(直接的な性器描写がないところから全年齢、みたいな感じになるでしょうか)
現段階で既出の4話まで読みましたが、4話最後の含みや、蛍はなぜこの仕事をしているのかなど謎が多いところなのでまた続きを楽しみに待とうと思います。
■作品