せきえま

けろりん「園芸店の優しい恋人」感想


けろりん先生の単行本「園芸店の優しい恋人」を読みました。

個人的な話をすると、私「小野寺さん春の恋かおる」から入ったんですけども、単行本で一連の話を読むと最初に読んだときと全く印象が変わってくるのが面白い。

けろりん「園芸店の優しい恋人」

園芸店の優しい恋人
園芸店の優しい恋人

内容

――少しフシギな園芸店を巡る……
夜●い睡姦あり、お姉さん筆おろしあり、
触手付き3P乱交ありの全11話、奔放性欲群像劇!!

『COMIC X-EROS』作家・けろりん、待望のワニマガジン初単行本。
一冊を通し描いたのは、
町の小さな園芸店で繰り広げられる、男女の恋と性模様――。

表紙の女の子、カオリは、
同じ園芸店で働くコータのことが好きすぎて、とんでもない変態行為を働いたり……。
園芸店の女店主、ミツヨは、
熟れた欲求を、年下の男の子にぶつけて童貞をいただいたり……。

さらには、植物の妖精さんが現れて、
触手・レズ・ふたなりSEXと、ファンタジーに絡み合う!!

ハートフルに紡がれた物語と、
ちょっぴりハードでヘンタイ的なえっち描写が相性バツグン。
実用度&読み応え十分な一冊。

収録作品

公式より。

作品 収録
春の君は花のかおり 風邪で倒れたコータの看病に行ったつもりが……大好きな人を前にカオリのヘンタイ性欲が開花。
坂田くんはお年頃 ミツヨの前に現れたのは、カオリの弟のカオル。ついイタズラしたくなる可愛い顔に、ムラムラが収まらなくなって……?
坂田くんはお年頃 その2 カオルに女装をさせてショタSEXを愉しむミツヨ。大きなクリトリスを膨らませ、店内で、家で、交わりまくる!!
井上くんと不思議な妖精の鉢 鉢から突然美少女が!? 摩訶不思議な植物の妖精と、ラブラブな子づくりSEX。
坂田さんはお年頃 ハメ狂いたくて仕方ないカオリは今日もコータを熱っぽく見つめる。そして、ついには媚薬を盛り、寝てしまったコータを……。
カオルくんと秘密の花園 地下室に閉じ込められていた不思議な美少女ミドリ。触手を操り、カオルを逆アナルメスイキ昇天。ミツヨとイチャラブレズSEX。
秋の君は恋のかおり コータの上着でオナニーしていたカオリ。その様子をミドリに見られてしまい……。触手ふたなり強●交尾で、カオリ、アへ顔を晒す!!
そんな春なので 寝込みのコータを度々襲っていた淫乱女のカオリ。しかし、とうとうコータにバレてしまって!?
小野寺さん春の恋かおる カオルに恋心を抱く同級生の小野寺さん。強引でお節介な彼女を前に、カオルは豹変し……後ろ髪掴んで強めのオシオキ!!
ミドリちゃんと不思議な植物の謎 ミツヨの学生時代を回顧した、同級生ミドリとの淡い百合物語。はたして、「ミドリちゃん」の正体とは……?
町の園芸店で、おばさんと 数年が経ち、久しぶりに園芸店を訪れたカオル。それぞれの恋と性の行方は――? シリーズ堂々完結。

感想「通しで読むと連載当初とまた違った味わいの出る一作」

園芸店の人物を彩る群像劇。

長期連載で、最初の「春の君は花のかおり」が2015年X-EROS#28掲載、最後の「町の園芸店で、おばさんと」がX-EROS #86掲載なのでおおよそ5年の間に連載された作品。

小さな世界の中にバリエーションが多め

半径1km以内のような世界で起こっていることなんですが、人物も入れ替わり立ち替わりでプレイスタイルもさまざま。
小さな世界の中に色々な性が凝縮されています。

例えばこんな感じでバリエーションが多め。

  • 睡姦逆レ◯プ
  • 熟女ックス
  • 女装
  • 植物擬人
  • 植物擬人(触手)と3P、メスイキ
  • オナニー、ふたなり
  • ノーマルセックス

一つ一つの話でそれぞれのエロさは担保されているのに加え、一連の作品として単行本を読むとエロさの見え方が変わってきます。

個人的推し「小野寺さん春の恋かおる」

個人的に印象深かったのは、過去に感想を書いた「小野寺さん春の恋かおる」。

当時は単話で読んだ感想を書いたんですが、単行本で一連の流れを見てから読むと見え方が全然変わってきて感動。

単話で見た時の印象はカオルくんが嗜虐的なちょっとSっ気のあるキャラだったものの、「坂田くんはお年頃」を合わせて見ると最初はミツヨさんにされるがままにされていて受けキャラ。当たり前なんですが元々は普通の男子。

ミツヨさんとのエッチを経験してオトナになっているし、鍛えられてる背景もあるので同級生からみると意図せずちょっと大人びているわけで、小野寺さんの台詞「カオルくん最近ちょっと大人っぽくなって女子で割と人気あるんだよね」とか、カオルくんがセックスの時に淡々と自分の好みの女性のタイプを語るシーンとか、単話として読んだ時よりも深みが増してきました。

過去作を今回単行本で初めて読んだので「こういうことだったのか!」となりましたし、ミツヨさんの「あんたちょっと背伸びた?」という最後のコマもめちゃくちゃ情緒があって良い。

小野寺さんは小野寺さんで、ここだけのキャラかと思いきや最後に花を添える存在になるのも改めてゾクゾクしましたw

一連の物語がが面白いので新規で読むという人にももちろんおすすめなのですが、私のように月刊誌連載中に一部の作品だけ見たことがある、という人にもぜひおすすめしたい一作。自分の読んだ作品にまた違った味わいが出てくるかと思います。

ごちそうさまでした。

※おまけ要素としてカバー裏にはファンの名前が描かれているファンサービスもありました。こういう企画も面白い。

■作品

他にはこんな記事も読まれています。


※記事内で紹介した商品を購入すると、売上の一部が「せきえま」に還元されることがあります。(詳細