「快楽堕ち」っていうジャンルを掘っていくと、キメセクだったりそっちの方向に入っていったりしてしまうんだけどリアルの快楽堕ちって決してそういうものだけでもないじゃないですか。
セックスしてる時にアヘ顔ダブルピースしたりするなんてことはないと思うんですよねw
そういうちょっと「飛んでる」ジャンルも好きといえば好きなんですけど、たまに「リアルに快楽堕ちのようなものがあったらどういうことになるんだろう」と考えるわけです。
で、ふと思い出したのがちょっと前(2012年)のイノウエマキト先生の「ホロウ・ハート」。
今回はその話を。
収録単行本「Wet.」
(無料立ち読みもあり)
Wet.
(内容)
『COMIC失楽天』表紙作家・イノウエマキトの初単行本!
ツヤツヤ×ムチムチのグラマラボディが潤いタップリに乱れイク光沢短編集です。
汗・汁・液の三大要素は言うに及ばず、だらしなくこぼれるヨダレから突かれる度にあふれる悦びの涙まで、首尾一貫して湿感にこだわりヌいた圧姦プレイ17編。
文句なしの性道を貫き通す1冊です。
(収録)
- Sweet Enemy
- Friction Girl!
- もっと!Friction Girl!
- 本能
- サンシャイン☆パニック!!
- 秋陰り
- Sunless Days
- Teaching
- Teaching+
- ホロウ・ハート
- ハピネス
- 熱病
- Lip&Stick
- スイミングホール
- アンタってホントにクチばっかね!
- 熱狂ジョブハント
- エロマンガ日和
全体から漂うムチムチ感のエロス。
「ホロウ・ハート」は(鈴川)由嘉ちゃんが中学生時代からずっと好きだった進藤くんに会って、酔った勢いで告白〜エッチする話。そこから付き合うことになりセックス三昧の日々を送るという話。
ダメ男と堕ちていく女の現実感がそこにある
軽くネタバレになってしまうのですが進藤くんは高校デビュー失敗してハブられ、大学受験も失敗して浪人。
由嘉ちゃんは中学時代からずっと好きという気持ちに引っ張られて、セックスしながらも「本当に私はこんなことがやりたかったのかな?」と思いつつ、セックスの気持ち良さに溺れて途中から考えるのをやめる、という。
これってなんかリアルじゃないですか?
違和感を快楽でごまかしていく感じとか、考えないようにする感じとか「快楽堕ち」の「堕ち」って言葉が非常に良く合っていると思う。
作品を通して言えるのが「進藤くん良かったね!」って感じです。
これ男視点から見たら「色々と諦めかけていた人生に急に好きだって言ってきた女の子が現れてセックス三昧」みたいな感じだものね。
あと由嘉ちゃんも思考停止しているものの好きなままでいて、気持ちいいというのだからやっぱりなんだかいいなあと思うのです。
現実にありそうな快楽堕ちがここにある。
あと身体がムチムチしていてやたらとエロい。けど若々しさ(大学生くらい?)も決して失っていないという画風の良さがある。
■収録単行本
Wet.