せきえま

中村葛湯「彼女のせつな」感想

中村葛湯先生の作品を過去にCOMIC 高の単話の感想を書いたことがありました。

心理描写とエロ描写が細かくて淫靡。中村葛湯「frog」(「COMIC 高 Vol.3」より)

ふとそれを思い出して単行本購入。
2017年の作品集なのですが2025年現在でもまったく問題なく使える優秀な一品。

中村葛湯「彼女のせつな」

彼女のせつな
彼女のせつな
(サンプル画像:10枚)

内容

【ココロもカラダも不安定なわたしの、性徴期】 『おにいちゃんのおよめさんになる』と言っていた彼女、そして少しだけ大人になった彼女。小さい体で精一杯僕を受け入れる(想い人) 男の子にいたずらをされて以来、スイミングスクールに行くのが怖くなってしまった女の子。だからいつも更衣室でコーチを待ってるの。 気持ちいいことしていい?(ならいごと) ―未熟だから、艶めかしい。 少女たちのリアルな「生」と「性」を描き出す中村葛湯の初作品集、登場。

<収録作品>想い人/from day to day/プラスマイナス/朝の雲、暮れの雨/LOOP/Frog/家路のありか/ならいごと

感想

中村葛湯先生の単行本。単行本の年齢層的にはJS〜JC。相手は大人。
イチャイチャっぽいのだけではなく、ちょっと後ろ暗さを感じるようなものなどもあるけど完全ダーク系といった感じではないので後味はすっきりめ。

この本、全体的に年相応の女の子がセックスすることへの目覚めを表現しているような感覚を得られる。

また絵の特性だと思うのですが、推しどころとしては各種ヒロインの蕩け表情の魅力。
気持ちいいんだけど恥ずかしいといったような絶妙な加減の雰囲気がでていてとてもエロい。

「ならいごと」が好き

単行本内の中でもシチュエーションとしてはちょっとダークよりな「ならいごと」が個人的好み。
スイミングスクールで引っ込み思案めな女の子が更衣室でオナニーしているのを見つかって、複数のコーチとエッチな関係に・・・という話です。

まずJS位の年齢という背徳感が強い。
性への目覚めから更衣室でこっそりオナニーをしている。乳首が勃起して水着からも分かるのが◎。

それをスイミングスクールコーチに見付かり、更衣室での身体弄りからのもう一人のコーチとの3P。

セックスに至るまでの段階を丁寧に描いているのがいいですね。
小さい身体をされるがままに、挿入、乳首いじり、フェラ。
競泳水着もいきなり全部脱がすのではなく最初は着たまま、フェラの途中から胸だけ脱がすといった段階的な脱がせ方が素晴らしい。

1回尻への射精と顔射とのWフィニッシュをしたあとに2回戦。
この2回戦のタイミングでスク水を全部脱がせて全裸にする。コーチとの身体の対比で裸体を見ても軽そうって思ってしまう。これも背徳感。
もともと人に見つかったらやばいというシチュエーションで、コーチの興奮が収まらなくなって全部脱がせてもう一回してしまうという勢いが感じられる。

言葉数は少ないが表現が優秀(「ならいごと」)

ヒロインの樹里ちゃんは引っ込み思案なのもあり言葉数は少ないものの、「あっ」とか「すき」とか細切れに言葉を発するのもエッチ。
それに加え気持ちよさそうな蕩け表情だったり、セックスしている時にコーチの腕をぐっと掴んでいたり、静かなセックスなのに絵から感じられるエロさの迫力が優秀。

男側から見ると背徳感、女側から見ると体感したことのない気持ちよさみたいな感じなんでしょうね。
それを体現している書き文字のセリフもえっち。

そして画角も素晴らしい。
男目線のフェラ角度、後背位から足がガクガクしている姿、下からの後背位視点、3Pの全体像・・・読み進めることで全体的な立体感が想像できて臨場感が高まる。

目立たない子なんだけど性の目覚めがしっかりとあって静かにのめり込んでいくタイプの女の子が好きという方におすすめです。

余談ですがスイミングスクールという「ならいごと」、そしてコーチのエッチという「ならいごと」のダブルミーニングなんだろうなと想像しました。
ごちそうさまでした。

作品

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